「裏窓」殺人事件 七の密室 ★
![]() | 「裏窓」殺人事件―警視庁捜査一課・貴島柊志 (中公文庫) (2011/02) 今邑 彩 商品詳細を見る |
タイトルに殺人事件とついている通りのミステリ。期待を裏切らない面白さ。
今より少し前に書かれたものだからか、現代には合わない部分があるものも、そういったところも含めて楽しめる。それだけ文章が読みやすいということでもあると思う。それにしても、百年千年前のことならお約束として読み流せるものだけど、十年二十年くらい前のことだと古さに違和感を感じるのは不思議だ。
顔のない敵 ★
![]() | 顔のない敵 (光文社文庫) (2009/01/08) 石持 浅海 商品詳細を見る |
連作短編集。
地雷とミステリ、難しい組み合わせによく挑戦したと思う。しかも短編。それでもって、面白いのが凄い。でも、やはり難しかったらしく、全作殺人と地雷が直接絡んでくるわけではない。事件は段々と地雷からも離れてもいく。それと同時に面白さも下がっていくのでわかりやすい。
世界ではこんな活動をしている日本人がいるのか偉いな、と思うのと同時に腹立たしさも感じる。地雷を埋めたのは誰なのか、造ったのは?どうしてその人達が除去しないのか。そんな当然の疑問を誰も思い浮かべないのが不思議。
吟遊詩人ビードルの物語 ★★
![]() | 吟遊詩人ビードルの物語 (日本語版) (2008/12/12) 松岡 佑子 商品詳細を見る |
ハリー・ポッター番外編の短編集。「魔法使いとポンポン跳ぶポット」「豊かな幸運の泉」「毛だらけ心臓の魔法戦士」「バビティ兎ちゃんとペチャクチャ切り株」「三人兄弟の物語」収録。
短編それぞれが単独のファンタジーとしても楽しめるし、「ハリー・ポッター」を知ってから読むと更に楽しめるつくりは見事。ちょっとブラックなのもいい。こういうの子供は好きだよなという話だと思う。
アークトゥールス 全ての物語の完結と始まり ★
![]() | アークトゥールス (2009/06/19) 藤木 稟 商品詳細を見る |
続き物だというのを忘れ、一話完結として読んでいたので、少し慌てた。一冊目を読んだのは随分前なので朧げにしか覚えていない。シリーズ最終巻ということで、今迄の話が直でリンクしてくる。そういえば、最初に出てきたアフリカの不気味な森が気持ち悪くて、でも謎めいていて、すごく興味を牽かれたのだったと思い出した。その雰囲気が還ってきていて、前のことたくさん忘れているし、それを差し引いてもわからないことばっかりなのに、ぐいぐい引き込まれていった。ラストにはなにが待ち受けているのだろう?と期待が大きかっただけに、幕引きは拍子抜け。謎が一杯あったのだけど、解答はあったようななかったような。どうなったのかもよくわからない。文章が読みやすいので思いつかなかったのだけど、海外SFであるような話なんだと思う。あれを、本当に読みやすい日本語で読めたのかと思えば、わけわかんないのに面白いのも納得。できれば、最初から纏めてじっくり読み直したい。
虎と月
![]() | 虎と月 (ミステリーYA!) (2009/02/03) 柳 広司 商品詳細を見る |
最も好きな文章が中島敦の文章で、「山月記」もとても好きなので、そのパロディ(続編)だと聞いて読むのが怖った。楽しめないのじゃないかと思っていたけど、全く別物として読めるものだったので良かった。文章が中島敦どころか中国物のようでもないので、設定を使っただけの別物としてみれたのだと思う。
虎の比喩が、潔癖症っぽい李徴をすれば考えられることでもあって納得。そういったところは良く考えてあるみたい。勧善懲悪として軽く楽しめる読み物。子供向けでもいいのじゃないかというくらい話の筋が簡単。それだけに深みがない。「山月記」の続編というのがなければ読んでなかっただろうし、それでも良かったとも思う。






